「人が足りない」の前にできる、一人あたりの仕事量を減らす工夫
人を増やせば解決、とは限らない
「とにかく人が足りない」。中小企業の現場で、いちばんよく聞く言葉かもしれません。もちろん人手が要る場面はありますが、いざ採用しようとすると応募が来ず、来てもすぐには戦力にならず、結局今いる人でなんとか回している、というのが実際のところではないでしょうか。
そこで一度立ち止まって考えたいのが、「今の仕事量そのものを、少し減らせないか」という視点です。人を増やす前に、一人あたりの負担を軽くできれば、採用の焦りもやわらぎますし、今いる人が辞めずに済むという効果もあります。
大がかりな改革の話ではありません。日々の仕事の中にある「なくても困らない手間」を見つけて、少しずつ手放していく。その積み重ねの話です。
「探す時間」「確認する時間」を疑ってみる
一日の仕事を振り返ると、実は「何かを探している時間」や「二重に確認している時間」が意外と多いものです。ここは道具を増やさなくても減らせる部分です。
製造の現場で、工具や図面を探すのに毎回時間がかかっているなら、置き場所を決めて表示するだけで変わります。建設の現場でも、資材の在庫を毎回見に行っているなら、ホワイトボードに残数を書いておくだけで往復が減ります。
飲食店で、伝票や予約の確認に手間取っているなら、書き方や置き場所を統一するだけでも違う。ITの仕事でも、同じ質問に毎回答えているなら、よくある質問をまとめておくだけで問い合わせ対応の時間が減ります。「探す・確認する・待つ」の時間は、たいてい工夫で削れます。
「その作業、本当に毎回いる?」と問う
長く続けている作業ほど、当たり前になっていて、必要かどうかを疑わなくなります。でも中には、昔は意味があったけれど今はなくても困らない、という作業がまぎれ込んでいるものです。
たとえば、誰も見ていない日報や、二重につけている記録。製造で毎回とっているのに使われていないデータ。飲食店で習慣で続けている、細かすぎる仕込みの手順。一度、「これをやめたら本当に困るか」を現場のみんなで出し合ってみると、案外「なくてもいい」ものが見つかります。
やめる判断は勇気がいりますが、一つやめるごとに、その分だけ時間が戻ってきます。増やすより、まず減らす。ここが効きます。
いきなりやめるのが不安なら、「一ヶ月だけ止めてみる」と期間を決めて試すのも手です。それで本当に困ったら戻せばいい。困らなければ、そのままやめてしまえばいい。お試しだと思えば、現場も受け入れやすくなります。
同じことの繰り返しは、仕組みに任せる
毎日・毎週、同じ手順で繰り返している作業は、仕組みに任せられないかを考えてみる価値があります。難しい機械やシステムの話でなくても、ちょっとした工夫で楽になることは多いです。
請求書や日報のような繰り返しの書類は、ひな形を一つつくっておくだけで、毎回ゼロから作る手間がなくなります。ITの現場なら、決まった集計を自動でやってくれる仕組みを一度つくれば、あとは楽になります。最近は、こうした繰り返し作業を助けてくれる道具も手ごろになってきました。まずは「毎回同じことをしている作業」を一つ選んで、そこから試すのがおすすめです。
今日からできる、小さな一歩
まずは、この一週間の中で「これは無駄だったな」と感じた作業を、一つだけ書き出してみてください。それを現場の人と「やめられないか、減らせないか」と話してみる。たった一つ手放すだけでも、一人あたりの負担は確実に軽くなります。
五月雨では、こうした仕事の棚おろしや繰り返し作業の仕組み化など、中小企業の業務改善やDXのお手伝いをしています。手が回らないときは、気軽に声をかけてください。
