税理士が「税理士に聞くこと」はAIが代替する時代へ:顧問契約の価値はどこへ向かうのか
解約
デジタル界隈で出会った税理士の先生からおもしろい言葉を聞きました。
「税理士への質問は生成AIが答えてくれる」と。
これは、プロフェッショナルな税務の世界で、
知識や解釈の確認作業がいかにAIに置き換わりつつあるかを端的に示しています。
では、
この発言は私たち経営者や事業主に何を意味するのでしょうか?
「税理士は不要になる」ということなのでしょうか?
うん、そうだね
最近いろいろ相談される中に税理士関連のことが結構あるのですが
今お世話になっている先生が
クラウド会計は良くないって言うんです
( ゚Д゚)ハァ?
そんな税理士いたら即刻クビにした方がイイです。
聞くまで何もしてくれない人間より
設定ちゃんとして入力すれば決算までキッチリやってくれる
クラウド会計が年間数万で
税理士に40万とかアホらしいです。
この記事では、
生成AI時代における税理士の役割の変化と、
ワタシたちが本当に必要とする「税理士の価値」について考察します。
1. 税理士がAIに代替される「聞くこと」とは?
税理士が同業者に質問する内容の多くは、以下の3つのパターンに集約されます。
1.1. 定型的な情報・知識の確認
「この仕訳で合っているか」
「特定の手続きの期限はいつか」など、
税法や通達に明記されている知識の確認です。
これはAIが最も得意とする領域です。
大量のデータ(税法、判例、Q&Aなど)を学習した生成AIは、
人間が調べるより速く、正確に情報を引き出すことができます。
マネフォGPTとマネフォアカウント連携して、完結。
1.2. 過去の判例・事例の検索
「過去に同様のケースで税務署がどう判断したか」
という類例検索もAIの独壇場です。
生成AIは、膨大な非構造化データから関連性の高い情報を瞬時に抽出し、
要約して提示できます。
これにより、税理士の先生方が事例調査に費やしていた時間が大幅に短縮されます。
1.3. 文書のドラフト作成
「クライアントへの税制改正の説明文」や「税務署への簡単な申請書類」の
たたき台(下書き)作成も、生成AIが驚異的なスピードでこなします。
つまり、先生方が言われた通り、「知識と情報処理」の領域は、
生成AIとクラウド会計の進化によって、急速にカバーされつつあるのです。
2. それでも「税理士の価値」が消えない理由
しかし、この事実は「税理士が不要」を意味しません。
なぜなら、税理士の仕事には、
AIには代替できない「独占業務」と「人間ならではの付加価値」があるからです。
人間は信用できてAI信用できない、情報弱者にとっても必要な存在です。
2.1. 独占業務と法的責任
AIがどれだけ正確な情報を提供しても、
以下の独占業務は、資格を持った税理士にしか行えません。
税務代理: 税務署との折衝、税務調査の立ち会い、異議申し立てなど、納税者の代理人として責任を持つこと。
税務書類の作成: 申告書など税務署に提出する書類を、最終責任をもって作成・提出すること。
税務相談: 個別の状況を踏まえた、最終的な責任ある判断を伴う税務上の助言。
AIの回答で申告を間違えても、AIは責任を取ってくれません。
最終的な責任を負い、税務署と対峙できるのが税理士の最大の価値です。
そうね、人のせいにしたい人は、税理士にお願いした方が良いです。
2.2. 経営コンサルティング能力
AIは過去の情報を整理できても、
あなたの未来の事業戦略を立てることはできません。
これは、ウソ。
生成AIの方がよっぽどコンサルティング能力高いです。
個別具体的な戦略提案:
融資獲得に向けた計画作成、
M&Aや事業承継のシミュレーション、
インボイス制度や複雑な法人税の有利不利の選択など、
未来を見据えた戦略的な意思決定をサポートします。
これらは、人間より遥かに生成AIのが優秀。
感情と対話:
経営者の不安や漠然としたアイデアを聞き出し、
最適な形に落とし込む「共感」や「対話」は、人間ならではのスキルです。
でも、無知な専門家は困ったもんです。
結論:税理士は「情報処理者」から「戦略アドバイザー」へ
クラウド会計と生成AIの進化は、
税理士を「記帳代行や知識の伝達係」という役割から解放します。
これからの税理士は、
AIに任せられる作業を徹底的に効率化し、
その分の時間を
「複雑な戦略的判断」「節税コンサルティング」「事業の未来設計」という、
お客様の利益に直結する高付加価値業務に集中させることになります。
私たち事業主が税理士を選ぶ基準も変わります。
単なる「経理作業の代行者」ではなく、
「クラウド会計とAIを使いこなし、未来の経営戦略を共に考える参謀」
としての税理士こそが、これからの時代に求められているのです。
あなたの事業の規模と複雑性に応じて、
AIと税理士をどう使い分けるか、
この機会にぜひ考えてみてください。
ワタシの個人的な見解としては
以下の条件の人は税理士よりもまずはクラウド会計をオススメしますね
| 項目 | 状況 |
| 事業形態 | 個人事業主または設立間もない小規模な法人 |
| 売上規模 | 年間売上1,000万円未満など、消費税の課税事業者にならない規模 |
| 取引内容 | 国内取引が中心で、海外取引や複雑な固定資産売買がない |
| 記帳方法 | 銀行口座やクレジットカード連携でクラウド会計の自動連携機能が活かせる |
| 事業主のスキル | 自分で税務知識を学習し、申告作業を完結させる意欲と能力がある |
