フルハーネス義務化の高さは何mから?現場でいちばん危ないのは「途中合流」
フルハーネスの義務化について、「高さ6.75m以上」という数字だけを覚えている方は多いと思います。ただ、現場でトラブルになるのは、たいてい数字を知らなかったからではありません。
今日は、高さの基準を整理したうえで、実際にいちばん危ないと感じている場面をお話しします。
高さの基準を整理します
まず数字を確認しておきます。
- 高さ2m以上で作業床を設けられない場所では、墜落制止用器具の使用が必要
- 6.75mを超える場所では、フルハーネス型が原則義務
- 6.75m以下であれば、胴ベルト型(一本つり)も選択できる
- ただし建設業では5m以上でフルハーネス型が推奨されている
もうひとつ大事なのが特別教育です。高さ2m以上でフルハーネス型を使って作業する場合、特別教育を受けている必要があります。 学科4.5時間、実技1.5時間、合わせて6時間です。
「6.75m以上でなければ関係ない」と思われがちですが、教育のほうは2m以上が基準です。ここは混同しやすいところです。
旧規格の安全帯は、もう使えません
2022年1月2日以降、旧規格の安全帯は販売も使用もできなくなっています。倉庫の奥に古い胴ベルトが眠っていないか、一度確認しておいたほうがよいと思います。
使えないものを持っていること自体より、いざというときに「これでいいか」と手に取ってしまうことのほうが問題です。
いちばん危ないのは、途中から合流する人です
ここからが本題です。
わたしたちの実感として、ルールが厳しい現場ほど、実は安全です。 入場の条件がはっきりしていて、何をどう使うかが明確に決まっている。だから迷いようがありません。
危ないのは、そのルールを知らない人が、途中から現場に入るときです。
応援で来てもらった職人さん。新しく入った作業員。工期の終盤に人手が足りなくなって、急に呼んだ協力会社。この人たちは、最初の入場教育を受けていません。現場のルールが体に入っていない状態で、作業だけが目の前にあります。
周りは「当然わかっているだろう」と思っています。本人は「聞いていないけれど、たぶんこうだろう」と動きます。この認識のズレが、いちばん危ない瞬間をつくります。
途中合流をどう扱うか
合流するタイミングで、必ず一度止める
忙しいときほど、「早く手を動かしてほしい」となります。でも、そこで5分止めるかどうかで結果が変わります。高さの条件、使う器具、危険箇所。この3つを口頭で伝えるだけでも違います。
特別教育の修了を、その場で確認する
「持っているはず」で通してしまうと、後から確認できません。合流時に修了証を確認する。これを手順として決めておけば、聞きにくさもなくなります。
「うちの現場ではこうする」を短くまとめておく
現場ごとのルールを、A4一枚でも紙にしておく。途中合流の人に渡すだけで、伝え漏れがぐっと減ります。毎回口頭で説明していると、その日の忙しさで内容がぶれます。
今日、現場で確認できること
次に応援や新人が入るとき、その人が特別教育を受けているかを確認してみてください。それだけで、見えていなかった穴が一つ見つかるかもしれません。
なお、具体的な適用範囲や運用は現場の条件によって異なります。詳しくは厚生労働省の公式情報や、元請けの指示をご確認ください。
五月雨では、フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育を実施することもできます。協力会社さんからのご依頼にも対応していますので、受講先をお探しでしたら気軽に相談してくださいね。
