ダクト工事の単価が読めなくなるとき|単価表どおりにいかない現場条件
ダクト工事の単価表を見て見積を組もうとしたけれど、実際の金額と合わない。あるいは、業者から出てきた見積が単価表より高くて理由が分からない。そんな経験はないでしょうか。
単価表は目安としては役に立ちますが、それだけで工事の金額は決まりません。今日は、単価が読めなくなる現場条件についてお話しします。
単価表が想定しているのは「まっさらな状態」
公表されている単価や歩掛は、標準的な条件で作業した場合を前提にしています。つまり、周りに何もなく、まっすぐ取り回せて、足場も十分にある状態です。
ところが実際の現場でその条件がそろっていることは、あまりありません。天井裏はすでに込み合っていて、通せる経路が限られている。脚立が立てられない。上を向いての作業が続く。こうした条件は単価表には表れません。
いちばん困るのは、先に他業種が入っているときです
ここが本題です。
ダクトは、断面が大きく、曲げの自由が利きません。配管や電線のように「少しよける」ということが難しい部材です。だから本来は、他業種より先に、あるいは経路を決めたうえで進める必要があります。
ところが実際には、ダクトを入れる前に手前へ配管や電線が敷設されてしまっていることがあります。こうなると、もう素直には通りません。
- 経路を変えて、遠回りさせる(材料も手間も増える)
- いったん外してもらう(他業種の手戻りが発生する)
- その場でルートを考え直す(施工が止まる)
どれを選んでも、当初の見積のままでは収まりません。
原因は「ダクトが難しいから」ではありません
誤解されやすいのですが、これはダクト工事そのものの難易度の話ではありません。現場の工程管理ができていないときに起きる問題です。
どの業種がいつ入るか。誰が経路を決めるか。取り合いをどこで調整するか。これが決まっていれば、そもそも起きません。逆に、各社が空いたタイミングで入っていく現場では、必ずどこかで衝突します。
そして衝突したときに割を食いやすいのが、後から入る業種と、融通の利かない部材です。ダクトはその両方に当てはまることが多い。
見積を出す側・受け取る側が確認したいこと
いつ入れるのか(他業種との順番)
金額より先に、これを確認してください。順番が決まっていない現場は、後で必ず追加が出ます。「入れる時期は未定」という回答であれば、その前提を見積書に書いておいたほうが、あとの話がしやすくなります。
経路は決まっているのか
図面上で経路が確定しているか、現場合わせなのか。現場合わせであれば、干渉が出たときの扱いを先に決めておきます。
作業できる条件はそろうか
高所か、閉所か。足場は誰が手配するか。他業種と同時作業になるか。ここが変わると、同じ長さでも手間が変わります。
単価表の正しい使い方
単価表は「この金額で発注できる根拠」ではなく、「なぜこの金額になったのかを説明するための土台」だと考えるとちょうどよいと思います。
標準の条件でいくら、そこに現場条件が加わっていくら。この形で示せれば、発注する側も納得しやすくなります。逆に、標準単価だけで金額を決めてしまうと、あとから出てくる追加が「言った言わない」になりがちです。
今日からできる、小さな一歩
次にダクト工事の見積を依頼するとき、金額と一緒に「いつ入れる予定か」を伝えてみてください。それだけで、返ってくる見積の精度が変わります。
五月雨では、配管・製缶・保温・据付といった工種の異なる工事を、一社の窓口でまとめてお引き受けしています。工種ごとに業者を探して調整するのが大変だという場合は、気軽に相談してくださいね。
