請求書の自動化はツールから始めない|月末の処理を60分で終わらせる考え方
請求書の処理を自動化したい。月末になると経理が残業になる、あの状態をなんとかしたい。そう考えてツールを探し始める方は多いと思います。
ただ、わたしたちの経験でいうと、請求書に時間がかかっている原因は、請求書の作業そのものではないことがほとんどです。今日はその話をします。
月末だけ、人がいなくなる
月末になると経理担当者がつかまらない。他の仕事が止まる。締め日が近づくと社内の空気が変わる。小さな会社でよく見かける光景です。
そこで請求書ソフトを入れたり、エクセルのマクロを組んだりする。もちろん効果はあります。ただ、それでも思ったほど楽にならなかった、という話もよく聞きます。
時間がかかるのは「調べ直している」から
月末の請求作業を見ていると、実際に手を動かしている時間より、確認している時間のほうが長いことに気づきます。
- この現場、追加工事の分はいくらで話がついたんだったか
- 値引きの話は最終的にどうなったか
- この材料費は先方持ちだったか、こちら持ちだったか
- そもそも、この金額で合っているのか
これを月末に一件ずつ思い出したり、担当者に聞いて回ったりしている。だから時間がかかります。請求書を作る作業が遅いのではなく、請求書に書く中身が決まっていないのです。
五月雨では、月末の請求処理は60分ほどで終わります
特別なシステムを使っているわけではありません。理由は単純で、見積の段階で金額が固まっているからです。
見積が100%できていれば、請求書はそこから起こすだけになります。調べ直すことも、誰かに確認することもありません。だから1時間かからずに終わります。
逆に言えば、月末に時間がかかる会社は、見積の段階であいまいなまま進んでいる部分が残っているということです。追加工事の金額を口頭で済ませた、値引きの条件を書面にしていない。そのツケが月末にまとめて来ます。
だから、手をつける順番は「見積」が先
自動化ツールを入れる前に、確認したいのはこの3つです。
1. 追加や変更が出たとき、その場で金額を確定させているか
工事では追加や仕様変更がつきものです。そのたびに金額を決めて記録しておけば、月末に思い出す必要はありません。「あとで精算しましょう」が積み重なると、月末が地獄になります。
2. 口頭で決めたことが、どこかに残っているか
電話で決まった金額を、メールで一言送っておく。それだけで十分です。議事録のような大げさなものは要りません。「先ほどお電話でお話しした追加分、◯◯円で承知しました」の一文が、月末の30分を節約します。
3. 見積と請求で、項目の並びがそろっているか
見積書と請求書で項目の書き方がバラバラだと、突き合わせに時間がかかります。同じ並び・同じ言葉にしておくだけで、転記はぐっと楽になります。
それでも自動化するなら、どこからか
見積が整ってきたら、次は自動化の出番です。優先順位をつけるなら、「作成」より「照合」からをおすすめします。
請求書を作ること自体は、慣れればそれほど時間がかかりません。時間を食うのは、入金と請求の突き合わせや、協力会社からの請求書と発注内容の照合です。ここは表計算ソフトの関数だけでもかなり楽になりますし、AIに読ませて一覧にするといった使い方もできます。
会計ソフトを使っているなら、見積・請求・入金がつながる形にしておくと、二度打ちがなくなります。
今日からできる、小さな一歩
次に追加工事の話が出たとき、その場で金額を決めて、短くていいのでメールに残してみてください。
それを1ヶ月続けるだけで、月末の作業がどれくらい軽くなるか実感できるはずです。ツールを比較検討するのは、そのあとでも遅くありません。
五月雨では、こうした「月末にしわ寄せが来る」状態を整理するお手伝いをしています。どこから手をつければいいか分からないという段階でも構いませんので、気軽に相談してくださいね。
