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業務改善

2026/07/08

紙とFAXをやめられない現場が、まず1つだけ変えるなら

「うちはまだFAXなんだよね」は、恥ずかしいことではありません

取引先とのやりとりが、いまだにFAXと手書きの伝票中心。そんな声を、製造業や建設業の社長さんからよく伺います。パソコンやスマホは使えるけれど、なぜか受発注や図面のやりとりだけは紙のまま。周りが「ペーパーレス」と言い出すと、どこか置いていかれた気分になる方も多いようです。

でも、紙とFAXが残っているのには、ちゃんと理由があります。取引先がFAXでしか受け付けてくれない。手書きのほうが早い。トラブルになったときに紙が証拠になる。どれも現場で積み上げてきた、まっとうな判断です。だから「全部やめましょう」と言われても、素直にうなずけないのが本音だと思います。

大事なのは、全部を一気に変えないことです。むしろ「まず1つだけ」に絞ったほうが、うまくいきます。

変えるなら「探す時間が一番かかっている紙」から

やめる紙を選ぶとき、おすすめしたい基準があります。それは「あとから探すのに一番苦労している紙はどれか」という視点です。

たとえば製造業の現場では、過去の図面や仕様書を「あれ、どこにしまったっけ」と探し回ることがよくあります。建設業なら、現場写真や工程表。飲食業なら、仕入れ先ごとの単価表や発注控え。こうした「あとで何度も見返す紙」こそ、デジタル化の効果が一番はっきり出る場所です。

逆に、一度使って捨てるだけの紙は、無理にデジタルにしなくても困りません。「保管して、探して、また使う」という紙から手をつける。これが遠回りに見えて一番の近道です。

明日できるのは「写真で撮って共有フォルダに入れる」だけ

最初の一歩は、驚くほど簡単で構いません。届いたFAXや手書きの伝票を、スマホのカメラで撮る。それを、無料で使えるクラウドの保存場所(GoogleドライブやOneDriveなど)に入れておく。たったこれだけです。

たとえば建設業の職人さんが現場で受け取った指示書を、その場でスマホで撮って共有フォルダに入れておけば、事務所にいる人もすぐ内容を確認できます。「FAX見に戻る」往復がなくなるだけでも、一日で意外と時間が浮きます。

飲食店なら、届いた納品書をレジ横でパッと撮っておく。月末に「あの請求、合ってたかな」と紙をひっくり返す作業が、スマホの中で完結します。専用のシステムを買う必要はありません。まずは「撮って、決まった場所に置く」の習慣から始めるのがコツです。

FAXを「なくす」のではなく「片方だけ」にする

もう一つの現実的な手があります。それは、FAXを完全になくすのではなく、「受け取りだけ」または「送りだけ」に片寄せする方法です。

いまは、送られてきたFAXを紙に印刷せず、そのままPDFにしてメールに届けてくれるサービスもあります。こうすると、FAX番号は今までどおり取引先に伝えたままで、自分の手元では紙が出てこない状態にできます。取引先には何の変更もお願いしないまま、自社の中だけ静かにデジタルに寄せられるわけです。

「相手に合わせる部分」と「自分で決められる部分」を分けて考える。ここが、紙をやめるときの一番のポイントだと思います。

まとめ:今日は「探すのに困っている紙」を1種類、写真に撮ってみる

紙とFAXをやめる第一歩は、システム選びでも大きな投資でもありません。「一番探すのに苦労している紙」を1種類だけ選んで、スマホで撮って決まった場所に入れてみる。今日できるのは、それだけで十分です。1週間続けてみて「これは楽になった」と感じたら、次の1種類に広げていけばいいのです。

五月雨では、こうした中小企業の業務改善やDXのお手伝いをしています。「何から手をつければいいか分からない」という段階からでも、現場に合ったやり方を一緒に考えられればと思っています。

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