グラフが伝わらない理由(視覚の壁編)3/6話
PM・マネジャーの皆さん。こんなことありませんか?
一生懸命作ったグラフを、オーナーや経営層に見せても、反応が薄い。
「売上が130%です」「リピート率は前月比15%up」。数字は出ている。なのに、「で、何をしたらいいの?」って返される。
実は、これはグラフの作り方じゃなく、見方の問題かもしれません。
カフェのオーナーさんが教えてくれたこと
カフェの経営支援をしていた時のこと。
売上と利益のグラフを作って、オーナーさんに見せました。
「見てください。売上は前月比110%です。好調ですね」
すると、オーナーさんが首をかしげた。
「え、でも、私の感覚だと全然儲かった感じがしないんだけど…」
不思議でした。数字では好調のはずなのに。その時、気づいたんです。
オーナーさんが見ていたのは「売上と利益」だけ。でも、実際には販売管理費がかなり上がっていた。
売上は110%になったけど、店員さんを増やしたから人件費が25%上がった。プロモーション費も20%増。
結果、利益で見ると、実は前月比80%に落ちていた。
グラフでは「売上好調」に見えるけど、オーナーさんの「儲かってない感覚」が正しかったんです。
グラフの見方、オーナーさんは知らない
その時、気づいたことがもう一つ。多くのオーナーさんは、グラフの見方そのものがわからないんです。
「棒グラフって、何を比較してるの?」
「この色は何?」
「数字とグラフが違う値に見えるんだけど…」
私たちは「グラフ=情報」として受け取るのが自然ですが、経営者や現場の人にとっては、グラフは「謎の図」かもしれません。

DATA Saberで学んだ「伝わるグラフ」
DATA Saberの「Visual Best Practice」というカリキュラムで、私はデータ分析が「相手に伝わり、人を動かすためのコミュニケーション」であるという本質を叩き込まれました。そこで学んだ大事なルール。
「グラフは、見やすいじゃなく『迷わない』が大事」
一度に比較する数が多いと、人の目は迷う。色を使いすぎると、覚えられない。数値ラベルがないと、推測で読む。
つまり、グラフは『読者が何を知りたいか』を優先するべき。
カフェの例なら、オーナーさんは「儲かってるのか」を知りたい。だから、「売上」だけじゃなく「利益」を目立たせる。販売管理費の内訳を見やすく。そしたら、「あ、人件費が上がってるから、利益が下がってるんだ」って、一目で理解できる。
一般化してみると
営業資料で見かけるグラフ。顧客別売上、商品別売上、地域別売上…色とりどり。
「いい資料だ」って思いますが、見ている人は「何を判断したらいいんだろう」ってなっていることがほとんど。
PowerPointのプレゼンでも同じ。きれいなグラフが並んでいても、視聴者が「で、何が重要?」って迷っていれば、それは伝わってない。
締め
見やすいグラフより、「迷わないグラフ」が強い。
読者が「何を知りたいのか」を最優先に、グラフを作る。
そしたら、オーナーさんも現場も、きっと動く。

【次回予告】 「迷わないグラフ」の作り方をマスターした私は、複数のグラフを組み合わせたダッシュボードの構築へと進みます。しかし、ここでデータ活用の現場における最大の罠が待ち受けていました。「完璧なダッシュボードが誰にも使われない」という悲劇。その原因とは?
