現場に「紙」を持ち込む担当者がDXを殺す?製造・建設業でツールが使われない根本原因
コストと時間を無駄にする「デジタル化ごっこ」
「うちもDXをやっている」と言いながら、
高価なソフトを導入しても、
結局現場には手書き用の紙が出力され、持ち込まれる。
そして、その紙すら使われない。
(しょーもな!)
製造業や建設業でDXが失敗する最大の原因は、
仕組みやソフトの良し悪しではありません。
それは、
現場担当者一人ひとりの
「ITリテラシーの低さ」と、「古いやり方への強い依存」です。
1. 現場担当者の「三つの壁」がDXを阻む
なぜ便利なツールが使われないのか?
現場のリアルは極めて単純です。
- 「面倒くさい」の壁
PCやタブレットで入力するより、
長年慣れた手書きの方が「早い」「ラク」と感じる。
※そうじゃなくて、現場では手が油まみれ、ホコリまみれになるから
防塵対策やデバイスの破損がしやすいのが問題 - 「意味がない」の壁
ITツールが単なる「紙をデジタル化しただけ」と見なされ、
現場でのメリットを感じない。
※導入する人が現場を知らないから芯食ったメリットを伝えられない
- 「教えてくれない」の壁
複雑な操作や専門用語が多すぎ、
誰も教えてくれないため、
結局使わなくなる。
※ITベンダー(業者)は導入の時だけフルテンション
特に、現場担当者のITリテラシーの低さは致命的です。
彼らは「仕組みが現場に合わせるべき」という意識が強く、
(それは確かにそうではある)
「自分がツールに合わせて学ぶ」という意識が希薄になりがちです。
(ちなみにワタシは学ばないと使えないツールはクソだと思っています)
2. 「使われない」を回避するための五月雨流アプローチ
ワタシは、
DX支援において「高機能」であることよりも「使われること」を最優先します。
【ポイント1】「小さな一歩」の徹底:LINEレベルの操作性に落とし込む
- 複雑な専用アプリは極力避け、
現場で既に慣れている
チャットツールやシンプルなクラウドフォームに業務を落とし込みます。 - 「紙で書いて写真を撮って送る」よりも、
「5秒で入力が終わる」仕組みを追求します。
※とはいえ、紙で書いて送ってもらえば、入力データでお返しする
なんて対応もしています。
【ポイント2】現場の「利益」に直結させる
- 「報告書が楽になる」だけでは動きません。
「このシステムを使えば、帰りの時間が15分早くなる」など、
担当者が個人的なメリットを感じられる業務から導入します。 - 特に、安全管理や報連相など、
「ミスや漏れが自分自身の評価に直結する」部分に活用し、
「使わないことの不利益」を明確にします。
【ポイント3】経営のコミットメント:紙での報告は「受け付けない」
- 新しいツールを導入したら、紙での提出を完全に停止するという、
経営層からの強いコミットメントが必要です。 - 「紙でもOK」という逃げ道を残せば、
必ずリテラシーの低い担当者から使わなくなり、
結果的に全社的なコストと時間の無駄となります。
DXとは、単なるツールの導入ではありません。
それは、現場担当者一人ひとりの「仕事のやり方」を変えるためのものであり
DX推進チームみたいなのを作る企業さんも多いですが
本来、それは無くて良くて
全ての部門の人たちが、これを自動化出来ないか
からスタートするのが本来のDXの進め方だと思うわけです。
