フードロスを減らすと利益が残る、仕込みの考え方
「今日も、これだけ捨てるのか」
営業が終わったあと、余った仕込みをまかないにしたり、泣く泣く廃棄したり。閉店後のゴミ袋を見て、「これ、全部お金だったんだよな」とため息をついた経験は、きっと多くの方にあると思います。
フードロスというと、環境の話や社会的な取り組みとして語られることが多いのですが、お店にとってはもっと身近で切実な問題です。捨てている食材は、仕入れたときにきちんとお金を払ったもの。つまり、廃棄が減ることは、そのまま手元に残るお金が増えることとほとんど同じ意味なのです。
とはいえ、「捨てないようにしよう」と気合を入れるだけでは減りません。大事なのは、仕込みの入り口の考え方を少し変えることです。
「いつも通り仕込む」をやめて、明日を思い浮かべる
多くのお店では、仕込みが「習慣」になっています。毎朝だいたい同じ量を、なんとなくいつも通りに仕込む。忙しいと、いちいち考えている余裕もありません。
でも、明日が平日なのか週末なのか、近くでイベントがあるのか、雨の予報なのか。そういった条件で、来るお客さんの数は変わります。仕込みに入る前に、ほんの少しだけ「明日はどんな一日になりそうか」を思い浮かべる。これだけで、作りすぎのブレーキになります。
紙のカレンダーに、天気や近隣の予定、去年の同じ時期の忙しさを一言メモしておくと、判断のよりどころになります。記憶や勘だけに頼らず、書いたものを見て決める。それだけで仕込みの精度は上がっていきます。
「使い切れる食材」に寄せていく
もうひとつの工夫は、メニューの組み立て方です。一つの食材が一つの料理でしか使えないと、その料理が出なかった日は、まるまる余ってしまいます。逆に、同じ食材が二つ三つのメニューにまたがって使えるなら、その日の出方に合わせて振り分けられます。
たとえば、ある野菜を前菜にも、付け合わせにも、日替わりの一品にも使えるようにしておく。そうすれば、片方が余りそうでも、もう片方で吸収できます。職人さんの腕の見せどころでもありますし、こうした「使い回しのきく設計」は、フードロスと仕込みの負担を同時に軽くしてくれます。
捨てる前に、少しだけ記録する
減らすためには、まず「何を、どれくらい捨てているか」を知ることが近道です。とはいえ、細かく計量する必要はありません。閉店後に「今日いちばん余ったもの」を一つだけ書き留める。これを何日か続けるだけで、「うちはいつもこれが余っているな」という傾向が見えてきます。
傾向がわかれば、その食材の仕込み量を少し減らす、別のメニューに回す、といった具体的な手が打てます。全部をいっぺんに直そうとせず、いちばん余っているものから一つずつ、が続けるコツです。
まとめ:今日の閉店後、「いちばん余ったもの」を一つ書く
フードロスを減らす第一歩は、大がかりな仕組みではなく、今日の閉店後に「いちばん余ったもの」を一つだけメモすることです。それが、明日の仕込みを少し賢くしてくれます。
こうした日々の小さな記録を、続けられる形に整えるのは案外むずかしいものです。五月雨では、現場の負担を増やさずに続けられる記録の仕組みづくりもお手伝いしています。気になったときに、気軽に声をかけてください。
