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業務改善

2026/07/23

5Sが続かない工場に共通する、たった1つの勘違い

「また元に戻ってしまった」その繰り返しに疲れていませんか

工場の朝、きれいに片付いたはずの棚を見て、いつの間にか工具が別の場所に置かれている。棚に貼ったラベルは剥がれかけ、床の区画線もいつしか意識されなくなっている。「せっかく5Sをやったのに、また元通りだ」と、ため息をついた経験のある社長さんや現場責任者の方は、きっと多いのではないでしょうか。

5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は、多くの工場で一度は取り組まれています。ポスターを貼り、全員で大掃除をして、最初の1週間はピカピカになる。ところが1か月、2か月と経つうちに、少しずつ元の状態に戻っていく。そしてまた号令がかかり、また片付け、また戻る。この「賽の河原」のような繰り返しに、正直うんざりしている方もいらっしゃるかもしれません。

実は、5Sが続かない工場には、ある共通した勘違いがあります。それは「5Sは片付けることだ」という思い込みです。

5Sは「片付け」ではなく「仕組みづくり」

片付けそのものを目的にしてしまうと、どうしても長続きしません。なぜなら、片付けは終わった瞬間から少しずつ崩れていくものだからです。人が動けばモノは動く。使えば散らかる。これは自然なことで、誰かの怠慢ではありません。

大事なのは、「散らからない仕組み」や「元に戻しやすい仕組み」をつくることです。たとえば工具を戻す場所に、その工具の形をかたどった線を描いておく。いわゆる「姿絵(すがたえ)」ですね。そうすると、どこに何を戻せばいいか一目でわかりますし、戻っていない工具も一目でわかります。片付けようと気合いを入れなくても、自然と元の位置に戻る。これが仕組みの力です。

つまり5Sの本質は、現場で働く職人さんの意志の力に頼るのではなく、意志が弱くても自然と整う状態をつくることにあります。「がんばって維持する」から「がんばらなくても崩れにくい」へ。この発想の転換が、続く工場と続かない工場を分けています。

まず「整理」だけを、一か所から

とはいえ、いきなり工場全体を仕組み化するのは大変です。そこでおすすめしたいのが、5Sの最初の「整理」だけを、たった一か所からはじめることです。

整理とは「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てる」こと。まずは一番よく使う作業台の引き出し一つ、工具棚の一段だけで構いません。半年間一度も使っていない道具は、思い切って別の場所に移す。壊れて使えないものは処分する。これだけで、探す時間がぐっと減ります。

現場の職人さんに「これ、最近使いましたか」と一つずつ聞いていくと、意外と「もう何年も触ってない」というものが出てきます。モノが減れば、整頓も清掃も自然と楽になる。全部を一度にやろうとせず、小さな一区画で成功体験をつくることが、結局は近道になります。

「誰が・いつ・どこまで」を決めておく

もう一つ、続けるために欠かせないのが役割の明確化です。「気づいた人がやる」は、裏を返せば「誰もやらない」になりがちです。朝礼後の5分、この棚はこの人が確認する、というように、簡単でいいので担当と時間を決めておく。手が空いたときにやるのではなく、決まった時間に短く行う方が、ずっと続きます。

今日からできる小さな一歩

もし何かひとつ試すなら、「一番よく使う工具を戻す場所に、テープで枠をひとつ描く」ことから始めてみてください。たった一つの姿絵が、戻す習慣の入り口になります。全部やろうと思わなくて大丈夫。ひとつの枠が定着したら、また次のひとつへ。それが、崩れない5Sの育て方です。

私たち五月雨も、現場に入り込んで「がんばらなくても続く仕組み」を一緒に考えるお手伝いをしています。もし社内だけでは行き詰まりを感じることがあれば、気軽に声をかけていただければうれしいです。

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