安全書類(グリーンファイル)の作成を半分の時間にする方法
現場に入るたびに求められる安全書類、いわゆる「グリーンファイル」。作業員名簿、施工体制台帳、持込機械の届出、作業手順書——名前を聞くだけで、少し気が重くなる方もいらっしゃるかもしれません。現場が始まる前から、この書類づくりに追われて、肝心の段取りに手が回らない。そんな経験はないでしょうか。
しかもよく見ると、毎回だいたい同じ会社の情報、同じ職人さんの情報、同じ資格の内容を、現場が変わるたびに一から書き直している。「これ、前も書いたよな」と思いながら、また手書きで埋めていく。この繰り返しに、正直うんざりしている社長さんや事務担当の方も多いと思います。
実は、この安全書類の作成にかかる時間は、少しの工夫でぐっと短くできます。今日はその考え方をお話しします。
時間がかかる正体は「毎回ゼロから」
安全書類の作成が重い一番の理由は、「毎回ゼロから書き起こしている」ことにあります。よく考えると、書類に載る情報の多くは、現場が変わっても中身は変わりません。会社の基本情報、職人さん一人ひとりの氏名・生年月日・保有資格・保険の情報。これらは一度整えておけば、次の現場でもほぼそのまま使えるものです。
にもかかわらず、現場ごとに用紙を取り出して手書きで埋めていくと、毎回同じ情報を書く手間がまるまる発生します。この「変わらない情報を毎回書く」ムダをなくすことが、時間短縮の一番の近道です。
「元になる台帳」を一つ作っておく
そこでおすすめしたいのが、自社の職人さんの情報をまとめた「元になる台帳」を一つ作っておくことです。氏名、生年月日、住所、保有資格とその番号、資格の有効期限、加入している保険、緊急連絡先——安全書類でよく求められる項目を、一人ひとり一覧にしておく。
これをパソコンの表計算ソフトで作っておけば、新しい現場の書類を作るときに、必要な人の情報をそこから写すだけで済みます。手書きで思い出しながら書くのに比べて、格段に速く、書き間違いも減ります。資格の有効期限も一覧で管理できるので、「期限が切れていた」というトラブルも防げます。一度作る手間はかかりますが、二度目以降はずっと楽になります。
「使い回せるひな形」をそろえる
もう一つ有効なのが、書類のひな形をあらかじめ整えておくことです。作業手順書やKY(危険予知)の様式など、現場ごとに少しだけ変えれば使えるものは、共通のひな形を持っておくと、毎回ゼロから考えずに済みます。過去の似た現場のものを土台にして、変わる部分だけ直す。これだけで作成時間はかなり短くなります。
最近は、こうした安全書類をクラウド上で作成・共有できるサービスも増えています。元請けが指定してくる場合もありますので、対応が必要なときは早めに確認しておくとよいでしょう。ただ、まずは手元の表計算ソフトで「台帳」と「ひな形」を整えるだけでも、十分に効果を実感できるはずです。
今日からできる小さな一歩
まずは、自社の職人さんの資格情報を一覧にした表を一つ作ってみてください。氏名と保有資格、有効期限だけでも構いません。次の現場で安全書類を作るとき、その表があるだけで「調べて、思い出して、書く」時間がぐっと減ります。小さな台帳一つが、毎回の負担を軽くしてくれます。
なお、必要な書類の様式や記載事項は元請けや現場によって異なりますので、詳しくは取引先や公式の情報でご確認ください。
五月雨では、こうした繰り返し作業を楽にする仕組みづくりを一緒に考えるお手伝いをしています。書類づくりに追われて現場の段取りに手が回らない、そんな状態が続いているようでしたら、気軽に相談してくださいね。
