保温工事の単価はどう決まる?m単価に含まれていないもの
保温工事の単価表を探している方は多いと思います。ただ、単価表を手に入れても、それだけで見積を組むことはできません。
今日は、保温工事のm単価に何が含まれていて、何が含まれていないのかをお話しします。見積を比べるときの参考になればと思います。
m単価が想定しているのは「まっすぐな直管」です
これが出発点です。
保温工事のm単価は、単純な直線部分を、標準的な条件で施工した場合の最低限の金額だと考えてください。まっすぐな管に、まっすぐ保温材を巻いていく。この状態が基準になっています。
ところが実際の配管に、まっすぐなだけの区間はほとんどありません。曲がりがあり、分岐があり、バルブがあり、支持金物がある。ここで手間が変わります。
手間が増えるのは、継手まわりです
エルボ、ティー、レジューサ、フランジ、バルブ。こうした部分は、直管のように巻いて終わりにはなりません。
形に合わせて材料を切り、合わせ、隙間ができないように納める。1箇所あたりの時間は、同じ長さの直管とは比べものになりません。継手が多い配管ほど、同じメートル数でも金額は上がります。
だから「何メートルですか」という情報だけでは、正確な見積は出せません。どんな形状の配管なのかで変わります。
ラッキングの有無で大きく変わります
保温材を巻いたあと、外装(ラッキング)を施すかどうかで、金額はかなり変わります。
屋外か屋内か。人が触れる場所か。見た目が求められるか。この条件によって、そもそも必要かどうかが決まります。
そしてラッキングも、継手の有無に左右されます。 直管部分に板を巻くのと、エルボやバルブまわりを納めるのとでは、手間がまったく違います。単価表に「ラッキング単価」が別に載っているのは、そのためです。
作業性でも変わります
ここが単価表にはいちばん表れにくい部分です。
高所作業
脚立で届くのか、足場が要るのか、高所作業車が必要か。同じ配管でも、上にあるだけで手間は増えます。足場の費用が誰の負担かも、事前に決めておくべきところです。
閉所・狭所
ピット内、天井裏、機械の裏側。体を入れられる範囲が限られていると、作業のスピードは落ちます。二人でやれば早いところを、一人しか入れないこともあります。
稼働中かどうか
設備を止められない状態での作業か、停止中に一気にやれるのか。周囲で他業種が動いているかどうかでも変わります。
見積を比べるときに見る3点
複数社から見積を取ったとき、金額の大小だけを見ても判断できません。次の3点を確認してください。
- 継手部分がどう計上されているか(直管と同じ扱いになっていないか)
- ラッキングが含まれているか、別途か
- 足場や高所作業の費用が誰の負担か
安い見積は、これらが「別途」になっているだけかもしれません。逆に高い見積は、現場条件をきちんと見たうえで出しているのかもしれない。ここを確認しないまま比べると、あとで追加が出ます。
今日からできる、小さな一歩
保温工事の見積を依頼するとき、長さだけでなく「継手が何箇所あるか」「高さはどのくらいか」「止められるかどうか」を伝えてみてください。
この3つを添えるだけで、返ってくる見積の精度が変わります。あとから条件が違ったという話も減ります。
五月雨では、保温・保冷工事を配管や製缶とあわせてお引き受けしています。工種ごとに業者を分けると調整に手間がかかるという場合は、気軽に相談してくださいね。
