ポンプ・モーターの異音、原因のほとんどは同じところにある
「なんだか音がおかしい」。設備の担当者からそう言われることがあります。ブーンという低い音、カラカラという乾いた音、キーンという高い音。
音の種類である程度あたりはつきますが、実際に見に行くと、原因はもっと手前にあることがほとんどです。今日はその話をします。
よくある原因は、ベルトとベアリングです
ポンプやモーターの異音で実際に多いのは、この2つです。
ベルトの劣化
ゴムが硬くなる、ひび割れる、伸びる。滑りが出ると音が変わります。キュルキュル、あるいはシャーというような音が出ることがあります。テンションが合っていないだけのこともあります。
ベアリングの消耗
グリスが切れる、内部が摩耗する、錆びる。ゴロゴロ、ガラガラ、あるいは金属的な高い音が出ます。回転に伴って音が変わるのが特徴です。
実際に開けてみると、もう見た目で分かるほど錆びていることも珍しくありません。ここまでくると交換しか手はありません。
でも、その手前に原因があります
ここが本題です。
ベルトが劣化した、ベアリングが消耗した。それは事実なのですが、なぜそうなったのかを見ていくと、掃除をしていなかったことに行き着くケースがとても多い。
粉体や原料を扱う工場では、飛散したものが機械の周りに溜まります。それが回転部に入り込む。ベルトとプーリーの間に噛み込む。ベアリングのシールを傷めて、そこから内部に入る。
そうなると、本来の寿命よりずっと早く傷みます。交換しても、掃除をしないままなら同じことが起きます。部品を替えても、原因を替えていないからです。
「最近ベアリングの交換が多い」という感覚があるなら、部品の質を疑う前に、その機械の周りがどうなっているかを見てみる価値があります。
音の種類から見当をつける
目安として、こういう傾向があります。断定はできませんが、切り分けの入り口にはなります。
- ブーン(低く唸る):電気的なもの、軸の芯ずれ、取り付けの緩みなど
- カラカラ・ガラガラ:ベアリングの消耗、異物の噛み込み、部品の緩み
- キーン(高い金属音):ベアリング、金属同士の接触
- キュルキュル:ベルトの滑り、劣化
- ゴボゴボ・シュルシュル(ポンプ):吸い込み側の問題、空気の混入など
あわせて確認したいのが、いつから鳴っているか、どんなときに鳴るかです。起動時だけなのか、負荷がかかったときなのか、ずっとなのか。ここが分かると、見に行く側もあたりをつけやすくなります。
放置するとどうなるか
異音は、たいてい急には壊れません。しばらく鳴りっぱなしのまま動きます。だから放置されがちです。
ただ、その間に確実に進行しています。ベアリングが完全に固着すると、軸を傷めます。そうなると交換する部品が増え、止まる時間が長くなります。ベアリング1個で済んだはずのものが、軸ごとになる。 これが放置のいちばんの損です。
そして壊れるのは、たいてい忙しいときです。
今日からできる、小さな一歩
気になる機械があるなら、スマホで音を録っておいてください。 10秒で構いません。
1ヶ月後にもう一度録って聞き比べると、変化しているかどうかが分かります。「なんとなく変な音」を「先月より大きくなっている」に変えられれば、判断ができるようになります。
あわせて、その機械の周りを一度掃除してみてください。それだけで音が変わることもあります。
五月雨では、工場設備の調査や、ベアリング・ベルトまわりの整備を行っています。「音は気になるけれど、止めてまで見るべきか分からない」という段階のご相談でも構いませんので、気軽に声をかけてくださいね。
