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2026/08/12

原価率だけ見て失敗する、本当に見るべき「FLコスト」

「原価率は抑えてるのに、なぜかお金が残らない」

月末に数字をまとめて、「今月も原価はしっかり抑えられたな」とほっとする。それなのに、通帳を見ると思ったほどお金が残っていない。そんな経験はありませんか。

飲食店を切り盛りしていると、どうしても「原価率」に目がいきます。仕入れの伝票を見て、売上に対して食材費が何割だったか。ここを下げれば利益が出るはずだ、と。もちろんそれは間違いではありません。ただ、原価率だけを一生懸命下げても、なぜか楽にならないお店はとても多いのです。

その理由の多くは、「もうひとつの大きなコスト」を一緒に見ていないことにあります。それが人件費、つまり働く人にかかるお金です。

FLコストは「食材」と「人」をセットで見る考え方

FLコストという言葉があります。Fはフード(食材費)、Lはレイバー(人件費)の頭文字です。この二つを足したものが、飲食店の費用の中でいちばん大きな塊になります。

なぜセットで見るのかというと、この二つはよく「シーソー」のような関係になるからです。たとえば、仕込みを外部の加工品に切り替えれば、食材費は上がるかもしれません。でもその分、下ごしらえの手間が減って人の時間が浮きます。逆に、すべて自店で手仕込みにすれば食材費は下がっても、職人さんの労働時間はぐっと増えます。

つまり、食材費だけを見て「安くなった」と喜んでいても、裏で人件費がふくらんでいれば、お店に残るお金は変わらない、ということが起こるのです。だからこそ、食材費と人件費は片方だけではなく、二つを足した合計で眺める必要があります。

明日からできるのは「FLを合計で書き出す」こと

難しい計算は要りません。まずは今月の売上、食材の仕入れ、そして給料やアルバイトの時給を含めた人にかかったお金を、紙一枚に並べて書いてみてください。そして「食材+人件費」を合計します。

大事なのは、正確な数字を一度で出すことよりも、毎月同じやり方で並べて、前の月と見比べる習慣です。「先月より食材は減ったけど、人のほうが増えていた」といった動きが見えてくると、どこに手を打てばいいかが自然とわかってきます。

一品ごとに「手間」も思い浮かべてみる

もうひとつ、メニューを考えるときのヒントがあります。原価の安い一品でも、盛り付けや仕込みにものすごく手間がかかるなら、それは「人件費が高い一品」でもあります。逆に、少し原価は高くても、さっと出せて回転がいい一品は、トータルでは優等生かもしれません。

「この料理は食材だけでなく、人の時間もどれくらい使っているかな」と一度思い浮かべてみると、看板メニューの見え方が変わってきます。値付けや、忙しい時間帯に出す一品を選ぶときの判断材料になります。

まとめ:まずは今月、食材費と人件費を足してみる

原価率という一つの数字だけを追いかけると、頑張っているのに報われない感覚に陥りがちです。今日からできる小さな一歩は、今月の食材費と人件費を、同じ紙の上で足してみること。それだけで、お店のお金の流れがぐっと見やすくなります。

数字を毎月そろえて残していく仕組みづくりは、慣れないうちは骨が折れるものです。五月雨では、こうした「日々の数字を負担なく続けられる形」にするお手伝いもしています。もし手が回らないと感じたら、気軽に声をかけてください。

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