「ITベンダーに言われるがまま」を卒業する。ベンダーロックインの見分け方
「このシステム、誰が使ってるんだっけ?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?中小企業のIT支援をしていると、こういう場面によく出会います。誰のPCに何が入っているかわからない。退職した社員のアカウントがそのままになっていて、毎月課金され続けている。業務ごとにバラバラのシステムが入っていて、それぞれが連携していない。
これがいわゆる「ベンダーロックイン」の実態です。気づいたときには、やめたくてもやめられない状況になっている。
よくある「じわじわ型」ロックイン
特に怖いのが、一見問題なく見える状態です。あるシステムを「使えている人が2〜3人いればいい方」で、実態は担当者1人がほとんど操作していて、他の人はほぼ触れていない、というパターン。
この状況、何が問題かわかりますか?
- その担当者が退職したら、システムが止まる
- 増員しても、使いこなせる人が育たない
- 結果、ベンダーへの依存度がどんどん上がる
気づいたときには「このベンダーがいないと業務が回らない」状態になっています。これがロックインの本質です。
「新しいシステム」が解決策とは限らない
よくある誤解があります。「問題があるなら、新しいシステムを入れよう」という発想です。でも実際には、既存のツールの使い方を改善するだけで解決するケースが多い。
むしろ積極的にお勧めしているのが「ダウングレード」という発想です。複雑な専用システムをやめて、ExcelやWordといった基本ソフトに切り替える。シンプルに見えますが、これが組織全体で使えるという意味で強い。
はじめてシステムを導入する企業さんには、シェアの高いメジャーなソフトをお勧めしています。理由はシンプルで、増員したときに「使える人」が見つかりやすいからです。ニッチなシステムは習熟者が少なく、採用や教育のコストがかさみます。
ベンダーとの関係を見直すべきサイン
最終的に、ロックインを生むかどうかはベンダーの担当者次第だと感じています。
見極めのポイントはここです。
- 「できない理由」から話し始める担当者は要注意。技術的な制約を並べることが先行して、「何をしたいのか」を聞き出そうとしてくれない
- 持ち帰って検討してくれる担当者は信頼できる。技術的な詳細を即答できなくても、課題を理解しようとする姿勢があるかどうかが大事
- 契約前と後で態度が変わる担当者は論外。導入前は丁寧で、導入後は対応が遅くなる。これは関係を見直すサインです
担当者のコミュニケーション能力が、そのままベンダーの信頼性を表しています。
まとめ
- 「使っている人が少ない」「退職者のアカウントが残っている」はロックインの初期症状
- 新しいシステムより、既存ツールの改善や基本ソフトへのダウングレードを先に検討
- 導入するなら、シェアの高いメジャーなソフトを選ぶ
- 「できない理由」を先に並べるベンダーとは、関係を見直す価値がある
- 契約前後で態度が変わる担当者は信頼できない
五月雨では、「本当に必要なIT投資かどうか」を一緒に考えるところから支援しています。「このシステム、うちに合っているのかな」と感じたら、まずは気軽にご相談ください。
