RESAS(地域経済分析システム)は戦略には向いてるけど、戦術には向いていない?
RESAS(地域経済分析システム)は、地域の産業構造や人口動態をマクロに把握するには非常に優れたツールですが、「個別の企業の詳細な動向(存廃・最新ニーズ)」をピンポイントで特定するには、データの更新頻度や粒度の面で限界があります。
RESASで立てた仮説(例:〇〇市の製造業が伸びている等)を活かしつつ、営業リストの精度を劇的に向上させるための具体的な改善ステップを提案します。
1. RESASの役割を「マクロ分析」に限定する
RESASはあくまで「どの地域・どの業種に攻めるべきか」を決める戦略フェーズで使い、リスト作成(戦術フェーズ)には以下の手法を組み合わせます。
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RESASでやること: 「付加価値額が高い地域」「黒字率が高い業種」「従業者数が増加傾向のエリア」の特定。
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RESASでやらないこと: 個別社名のリストアップ(データの鮮度が営業用としては不十分なため)。
2. リストの精度を上げる3つのアプローチ
「廃業している」「ニーズが合わない」を解決するための代替手段です。
① 法人番号公表サイト × 最新のWebスクレイピング
国税庁の「法人番号公表サイト」は、廃業や移転の情報が最も早く反映されます。
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改善策: RESASで絞り込んだ業種・地域をベースに、Googleビジネスプロフィールや求人サイトと照合するツール(「Baseconnect」や「Musubu」など)を併用してください。これらは廃業情報を自動で弾くアルゴリズムを持っています。
② 「求人広告」を出している企業を狙う(ニーズの証拠)
ニーズが合わない最大の理由は、相手に「投資意欲」がないことです。
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改善策: 求人を出している企業は、「人手が足りない=売上がある」「事業を拡大している」という強力なシグナルです。求人媒体(Indeedや求人ボックス)から地域・業種で検索をかけると、今まさに動いている「生きたリスト」が手に入ります。
③ 補助金・助成金の採択リストを活用
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改善策: 「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」などの採択企業リストは、国から公開されています。これらの企業は、「最新設備を導入したばかり」、あるいは「経営革新に意欲的」であることが公的に証明されており、非常に精度の高いターゲットになります。
3. リスト作成時の「スクリーニング」チェックリスト
リストを作成した後、営業をかける前に以下の3点をチェックするだけで、無駄打ちを半分以下に減らせます。
| チェック項目 | 確認方法 | 判断基準 |
| 活動実態 | 公式HPの「お知らせ」 | 1年以上更新がない場合は後回し |
| 投資意欲 | 求人情報の有無 | 採用活動中ならニーズがある可能性大 |
| 最新動向 | Googleニュース検索 | 最近のプレスリリースや不祥事がないか |
おすすめの改善ステップ
RESASで「ポテンシャルのある地域(例:長野県の精密機械器具製造業)」を見つけたら、次に「その地域のその業種で、直近1年以内に求人を出している企業」を検索してみてください。
この「マクロ(RESAS)× ミクロ(求人・Web動向)」の組み合わせが、最も効率的です。
