中小企業のクラウド会計導入、失敗しないためのリアルな話
「入れれば楽になる」は甘い
freee、マネーフォワード、弥生オンライン──クラウド会計ソフトの選択肢はいくつもあります。「導入すれば経理が楽になる」というイメージがありますが、正直そんなに甘くありません。
導入支援をやっていて一番大変なのは、お客さんの業務フローが確立されていないケースです。1件1件来ては個別対応、ルーティンが決まっていない。こういう状態でクラウド会計だけ入れても、ツールが変わっただけで手間は変わりません。
業務フローの提案と、1か月のルーティン作業の作成から始めることも少なくないです。
導入しただけでは使われない
もうひとつのあるあるが、導入した後に使ってない問題です。
「設定は終わりました、あとは使ってください」で引き渡すと、数ヶ月後に確認したら全然使っていなかった、ということがあります。最初は使おうとしたけど、わからないことが出てきて、聞くのも申し訳なくて、結局前のやり方に戻ってしまった。
導入させるだけじゃダメなんです。質問が来るのを待つのでもなく、常に気にかけて、自分から声をかける習慣が大事です。「最近どうですか? 困ってることないですか?」──この一言があるかないかで、定着率がまったく変わります。
実際に驚かれるポイント
クラウド会計を導入したお客さんが驚くのは、こんなところです。
1. 自動仕分け
銀行口座やクレジットカードを連携すると、取引データが自動で取り込まれて、仕分けまで入ります。最初は「本当にこれで合ってるの?」と不安になりますが、学習機能があるので使い続けるほど精度が上がります。
2. カード・PayPay決済も自動
カード払いやPayPay決済の取引も、自動で仕分けまで入ります。いちいち手入力する必要がありません。
3. 帳票のカメラ撮影
レシートや領収書をスマホのカメラで撮影すると、リアルタイムで添付・読み取りされます。紙をファイリングしてあとから入力、という手間が激減します。
4. ネットバンクの振込手数料
合わせて提案するネットバンクの利用では、「振込手数料145円ってマジ?」と驚かれます。窓口やATMだと数百円かかるのに、ネットバンクだと桁違いに安い。
ネットバンク自体が初めてという方も意外に多いです。楽さとスピードにみんな驚きます。一昔前は「ネットバンクなんて怪しい」と言っていた人たちが、今では「なんでもっと早くやらなかったんだ」と言っています。
決算も自社でできる
「クラウド会計で決算書が出せない」と言う税理士さんがいるという話を聞くことがあります。でもそれは違います。ちゃんと出せます。
五月雨でも自社でクラウド会計を使って決算をやっています。税理士さんとの連携ももちろんできますし、クラウド上でデータを共有すれば、やり取りもスムーズです。
もし税理士さんに「クラウド会計では決算できない」と言われたら、他の税理士さんにセカンドオピニオンを聞いてみるのもひとつの手です。
導入を検討中の方へ
導入を検討しているなら、まず知っておいてほしいのは自動仕分けの威力です。これだけでも導入の価値があります。
ただし、いくつか注意点もあります。
事前に整理しておくこと:
- 現在の勘定科目と仕分けルール
- 銀行口座・クレジットカードの一覧
- 取引先のリスト
移行期間を甘く見ない:
- 旧システムとの並行運用期間が必要
- 最低1〜2ヶ月は両方で回す覚悟で
- 「使い方がわからない」は恥ずかしいことじゃない、どんどん聞く
まとめ:ツールより「定着」が大事
- 業務フローが確立されていないなら、そこから整理する
- 導入後に使われなくなるのが一番もったいない
- 自動仕分け・カメラ読取・ネットバンク連携が強い
- 導入後も「声をかけ続ける」ことが定着の鍵
- 決算もクラウド会計でちゃんとできる
クラウド会計の導入支援もやっています。ツール選びから移行作業まで、税理士さんと連携しながら進めます。「何から始めればいいかわからない」からでも大丈夫なので、五月雨まで気軽にご相談ください。
